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素朴な疑問@「教科にしないとはどういうことなのか」
教科にしないということは教科書を使用しないということであり、学力判定の必要性がないということです。
つまり、通知表に現れる評定はしないということです。しかし、これは大変難しい問題を含んでいます。
というのも、教育すべてに必要不可欠な、「生徒への評価」はしなければならないことになっているからです。
文科省によると、英語に関する評価はALT中心となるが、担任は子どもが英語を使おうとしているかどうかというその英語に対する態度への評価をすることを予定しているとか。
素朴な疑問A「なぜALT中心ではなく担任中心主義なのか」
子どもの実態を最も理解できているのが担任であり、その子供たちの状況に応じた活動計画を組むことができるし、その様子を見ながら指導することができる。
さらに英語を他の科目に取り込んで指導することも可能である。
また、子どもから見ても、先生が担任だと安心して授業を受けられる。
以上が模範的解答でした。
しかし、理想的な教育環境としては、担任主導型でALTが英語表現面でその担任のアシスタントをするというのが一致した意見です。担任中心主義を採らざるを得ない理由の最大なもの、それは予算面での制約です。
全国の2万校の小学校にすべからくALTを配置するには莫大な予算が必要です。
加えて、教育予算が地方行政に預けられた形の昨今では、財政規模の小さな市町村ではその予算の捻出は不可能です。
このため全国で均一的な内容の教育を提供するという前提に立った場合、現在担当している日本人の先生がそれに当たることで、予算面での負担がなくなります。もちろん担当の先生にはこれまで以上の負担がかかることになります。
また、ALTを活用できる比較的予算の潤沢な都会と予算のない田舎の小学校格差は広がることが考えられます。
もう一つあげるとすれば、ALTを採用した場合ALTとコミュニケーションのとれる担任がそれほど多く居ないという現状もALTの採用に躊躇する一因でしょう。
素朴な疑問B「中学校で学習する英語と小学校での英語はどこが違うのか」
中学校の学習指導要領の外国語の目標は『外国語を通じて,言語や文化に対する(体験的に)理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くことや話すことなどの実践的(外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら)コミュニケーション能力の基礎(素地)を養う。』とあります。
これを小学校の学習指導要領の『外国語活動』目標と読み比べると、その内容はほぼ同じ[()内が小学校の外国語活動の目標での表現]であり、部分的に「体験的に」という文言が追加されたり、一部の文字「基礎」が「素地」に置き換えられているだけです。
つまり小学校英語が中学校英語の導入であることが明らかであり、教科ではないというものの、将来の教科の前段階ですから教科扱いになりうるものであり、中学校英語の前倒しが行われる要素は十分にあります。
文科省では、中学校時点での英語嫌いの解消を今回の導入の目的に挙げていますが、英語教育に戸惑いのある担任の先生方による英語活動が、英語嫌いの低年齢化を促すことも考えられます。
中学校での英語教育と峻別し、指導要領の目標を達成するためには、担当の先生方に十分な研修の機会と時間を提供する必要があります。
ないないづくしの苦肉のスタート
今回の小学校での外国語活動のスタートは、予算がないのでALTが採用できない。
教科ではないので教科書がない。教科書もなく経験がないので授業に不安がある。
このような状況下で本当に指導要領の目標が達成可能なのでしょうか。私自身その鍵を握るのは、担任の先生方の意識の改革と、経費のかからない民間ALTの活用だと考えています。
アカデミーでも現在近隣の教育委員会にALTを派遣していますが、その経費負担は各自治体が単独でALTを採用する場合の3分の2から半分程度に抑えられていると思います。
全校にALTが配置され、各担任が積極的にALTにかかわりを持つようになれば、3年もすれば担任中心の授業も可能となります。
この時点でALTの時間も週に1回から月に1回ぐらいまで減らしても、担任の先生だけで十分に子どもの指導が可能になっているはずです。それにしても全部の小学校にALTを配置する場合経費増は避けられません。
その場合、行政が教育予算にどれだけ配慮できるかが鍵となります。
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